ジョグジャカルタから3時間かけて、中央ジャワ・ウオノソボ市に行った。
標高2000メートルにある神秘の土地。ジャワの文化発祥の地と云われる場所。
8世紀に作られたヒンズー遺跡や3種類のサンライズが見れる土地。
謎に包まれていて、未だに継承されている風習・行事があり、国から守られている場所。
この土地では、神秘の言い伝えが今もなお現存しており、大切にされている。
そのひとつは、この土地の子供達のこと。
昔ここの王様であった霊が、子供に降りてくるという言い伝え。
この土地の子供達の中で、突然、髪の生え方が変わる子供が何人か現れ、それは王が宿った印として、この村では受け入れられる。
その生え方は、尋常じゃなく、レゲエの髪のように縮れて太くなって伸びてしまう。髪の毛全体的になる子もいれば、部分的になる子もいる。
彼らは、大切に扱われるが、親としては自分の子供に戻って欲しいと思っている。子供として戻すには、彼らが初めて自ら何か欲しいものを口にしたことが合図となる。それまでは、何も出来ないのだ。仮に親がその髪を切ろうとしても、とても痛がる上に、必ずまた同じ髪が生えてきてしまうという。
望みのものを言葉にした子供は、儀式を受ける資格を得、髪を切り、普通の子供に戻ることが出来る。
今回その儀式に参加させていただいた。儀式を行うにもお金がかかり、親がお金を工面出来なければ、行えないのだ。
白い布を体に巻いた5人の子供が並んで座っていた。
それぞれ子供なのに、目つきや態度が違っていた。大人びたオーラを醸し出している。言い伝え通り、王の霊が宿っている風格が見受けられた。
周りにはテレビ局などのメディアなども駆けつけ、多くの観衆に見守れながら行われた。
祈りが捧げられ、一人ずつ髪の毛が切られていく。
切り終えた子供は、みるみるうちに子供らしさをにじませ、純真な顔に戻っていく。
とても不思議である。演技でここまで出来るとは思えない。
ご両親の嬉しそうな笑顔が印象的だった。
このような場に立ち会えたことは、とても貴重な体験である。 続く。
子供達が欲しいと口にした物